口コミ分析という言葉は見聞きしたことがあっても、実行する際にどのような手法・手順で、どのようなツールを使用するか、明確になっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、口コミ分析の概要から重要性、種類、口コミ分析の方法と流れ、課題と注意点、課題解決につながるツール活用術、事例まで解説します。
口コミ分析とは、SNSや口コミサイト、ブログなどに投稿された口コミを収集・分析することを指します。分析結果は、マーケティングや商品・サービスの開発、リスクマネジメントなどに活かすことができます。
口コミ分析は、近年、重要性が高まっています。その理由として、SNSの利用者数が増加していることが挙げられます。総務省の「令和6年版 情報通信白書(※)」によれば、日本のソーシャルメディア利用者数は、2023年には1億580万人を記録し、予測値としては2028年には1億1,360万人に達する見込みがあるといわれています。このことから、SNSを通じて、より多くの人々の口コミを収集できる点は企業にとって有益なことです。
また消費者にとって、商品・サービス購入前の情報収集の際、口コミは重要性が高く、大きな影響力を持っています。そのため、口コミを収集・分析すれば、消費者の購買行動を把握することにつながるでしょう。
※出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd217100.html
口コミ分析には複数のメリットがあります。まず口コミ分析を実施することで、日々変化する消費者のリアルな声を把握できます。また消費者の本音を取得できるのもメリットです。その分析結果を踏まえてマーケティングコミュニケーションの最適化や、より消費者ニーズを捉えた商品・サービス開発、カスタマー対応が可能になります。その結果、売上アップや顧客満足度向上などにつながる見込みがあります。
口コミ分析の対象となる口コミの種類として、主に次のものが挙げられます。
X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokなどのSNS上で、日々増える投稿やコメントなどは、口コミ分析に最適な対象です。それぞれのSNSでは投稿される文字数や利用者層が異なるため、偏りなく網羅的に取得する必要があります。
口コミやレビューを投稿できるサイトも重要な収集対象となります。SNSと比べ、ユーザーは特定の商品やサービスなどに対して口コミ・レビューする意思を持って投稿するため、評価のレベルを把握しやすい特徴があります。
掲示板では、ユーザー同士が議論を交わすこともあることから、SNSや口コミサイトのような単独の投稿とはまた違った意見や評価、ニーズを把握できます。
個人ブログにも、商品を使ったり試したりしたレビューが投稿されることがあります。個人の感想が詳細に記載されることがあり、より深い情報源となります。
自社が運営する公式サイトやブログにコメント機能があり、そこに消費者が書き込めるようにしている場合、そのコメントは自社に宛てたものであるため、重要度が増します。
「口コミ分析」といっても、口コミを収集する工程が必要になります。ここでは、「収集」と「分析」の手法を列挙します。
エゴサーチとは、自社の「商品名」や「ブランド名」、「会社名」などをキーワードとして、GoogleやYahoo!などの検索エンジンやSNSなどで検索を行うことを指します。
WebスクレイピングとはWeb上の特定の情報を抽出する技術です。Webサイトの情報を一度に大量かつ自動的に抽出できる点が特徴です。口コミ情報だけに対象を絞ることで効率的な情報収集が可能です。
口コミ収集代行業者に外注する方法です。専門業者なので、質の高い情報を得られます。また人件費や時間的コストを低減できるメリットもあります。
中には膨大な量の口コミをWebスクレイピングによってリサーチしてくれるサービスもあるため、より多くの情報が必要な場合には利用価値があります。また収集だけでなく分析もあわせて代行してもらえることもあります。
Webで収集した情報をExcel(エクセル)シートにまとめ、手動で分析する方法です。手間と時間がかかりますが、使い慣れたExcelを使って作業ができるので手軽です。またコストを抑えて作業ができます。
「ソーシャルリスニングツール」とも呼ばれる、口コミを分析するためのツールです。SNSや口コミサイトのキーワードを絞ったモニタリングから、セグメント分析までスムーズに実施することができます。ツールによって機能が異なるため、最適なツールを選ぶ必要があります。
口コミ収集と分析を合わせて代行する業者に委託する方法です。収集だけでなく分析も含めて実施し、結果をレポートしてくれます。リソース不足の場合や質の高い口コミ分析結果が必要な場合には利用価値があるでしょう。
口コミ分析を実行する場合、基本的に次のような流れで進めていきます。
まずは口コミ分析を行う目的を明確にします。マーケティングにおける消費者とのコミュニケーションや施策に役立てたり、商品やサービスの改善に活かしたり、リスクマネジメントに活かしたりと、企業によってさまざまな目的が考えられます。目的が明確でなければ、収集において無駄な情報が集まってしまうことがあります。また、社内で共有すべき軸となるものがないと、会議や効果測定に支障が出てしまいます。これらの問題を避けるためにも実施の目的を明確にして、社内共有しましょう。
口コミ情報を収集します。手動での収集も可能ですが、現在はツールによる効率的な自動収集が一般的になってきています。
収集した口コミを分析します。整っていない非構造化データを整理して、意味のある情報を抽出することで、より消費者の心理を深掘りすることが可能です。定量分析により言及数などをリサーチしたり、ポジティブ・ネガティブの比率を出したりするほか、定性分析で定量分析結果の深い意味を探ります。
分析結果は目的に応じて活用します。詳細なレポートを作り、関係各者に共有しつつ、施策に活かします。施策を実施した後は効果測定を欠かさずに行いましょう。
口コミ分析には、次のような課題と注意点があります。
口コミ収集を人力で実行する場合、負荷が増大します。たたでさえリソース不足が深刻化している中で、口コミ収集にリソースを割くことは難しいでしょう。ツールで自動化する、外注することは必要不可欠といえます。
口コミはSNSから口コミサイト、掲示板、個人ブログまでインターネット上に膨大に存在し、日々、増加しています。集めた情報の分析に収拾がつかなくなる恐れがあります。
手動検索はもちろん、ツールや外注利用にもコストがかかるため、コストを抑えながら効率的に行う必要があります。
先に挙げた課題解決につながる、ツールの活用術をご紹介します。
Webスクレイピングツールで膨大な情報量を素早く取得します。収集したいWebサイトのURLとキーワードなどを設定するだけで、自動的に収集し、通知を受けられるツールもあります。これにより負荷が大幅に軽減できます。
コスト削減のために、Excelや無料の収集ツールなどを利用するのも一つの方法です。ただし無料ゆえにかえって手間がかかる恐れがあるほか、セキュリティや機能面でビジネス利用には懸念があります。その懸念をクリアにしつつ、より複雑な条件で多くの口コミを収集したい場合、Webスクレイピングを外注するといった手段があります。
ここでは、実際にWebスクレイピングツールを活用して課題を解決した企業の事例をご紹介します。日本最大級のデジタルBPO企業であるアルティウスリンク株式会社は、マーケティング領域に注力していくためにWebスクレイピングツール「ShtockData(シュトックデータ)」を導入しました。
コンタクトセンターを運用する中で、手作業のレビュー収集を実施していましたが、1日に1人で100件ほどしか収集できていませんでした。そこで自動化し、より多くの情報を収集する必要性が高まっていました。
管理画面がシンプルで分かりやすい、カスタマイズ性が高い、相対的に安価であることを理由に、Webスクレイピングツール「ShtockData」を導入しました。
手作業でレビュー収集をしていた頃は、3名で1日中作業をして300件程度が限界でしたが、ShtockDataでは1名で一度に5,000件以上と、収集件数が数十倍に増加しました。
作業工数の大幅削減により、事業レベル向上にもつながりました。
口コミ分析は必要性が高まっている一方で、効率的に実施しなければ、コストや負荷の増大につながってしまいます。ツールをうまく活用して自動化しながら進めることが最善策といえるでしょう。
今回ご紹介したWebスクレイピングツールの「ShtockData(シュトックデータ)」と、Webスクレイピング&Webクローリング代行サービス「ShtockData Pro」は、口コミ収集におすすめのサービスです。
ShtockDataは、初期費用0円で利用を開始することができ、簡単に高精度なWebデータを収集できるWebスクレイピングツールです。豊富なテンプレートから選ぶことで手軽にWebスクレイピングが開始でき、スピーディーに口コミ情報収集を実行できる点が特長です。
もし取得対象のデータ設定や整形など、Webスクレイピングを全てお任せしたい場合はWebスクレイピング&Webクローリング代行サービス「ShtockData Pro」もご検討ください。 大規模サイト・大量データであっても、複雑な条件であっても、収集したいWebデータと要望をお伝えするだけで手間なく実行できます。詳細は以下をご覧ください。
Webスクレイピング&Webクローリングをすぐに誰でもできるツール型のShtockDataについて1冊にまとめました。特徴や費用感、導入後の運用イメージなどを集約しています。
ぜひお気軽にダウンロードしてみてください。

Webスクレイピング&Webクローリングをすべてお任せできる代行サービス型のShtockData Proについて1冊にまとめました。特徴や選ばれる理由、事例などを集約しています。
ぜひお気軽にダウンロードしてみてください。
